
トタン屋根とは?特徴・種類・メリット・デメリットを徹底解説!
「屋根材っていろいろあるけど、どれを選べばいいんだろう?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。そんな中で、昔から使われている 「トタン屋根」 は、手頃な価格と施工のしやすさが魅力の屋根材です。住宅だけでなく、倉庫や小屋などにもよく使われているので、一度は目にしたことがあるかもしれませんね。 最近では、ガルバリウム鋼板などの新しい屋根材が人気ですが、トタン屋根にもまだまだメリットはたくさんあります! 種類や特徴をしっかり理解すれば、用途に合わせて賢く活用することも可能です。 この記事では、トタン屋根の特徴や種類、メリット・デメリットをわかりやすく解説! さらに、修理方法や施工費用、よくある疑問についても詳しく紹介します。トタン屋根を検討している方はもちろん、「そもそもどんな屋根材がいいの?」と悩んでいる方も、ぜひ参考にしてください! 1.トタン屋根とは?特徴について解説 トタン屋根とは、亜鉛メッキを施した薄い鉄板(トタン)を使用した屋根材のことです。日本では昭和の時代から広く普及しており、住宅はもちろん、倉庫や工場、農業用施設、小屋など、さまざまな建物に使用されてきました。その理由のひとつが、施工のしやすさとコストの安さです。 トタンは非常に軽量な金属屋根材であるため、屋根の負担を抑えつつ、比較的簡単に施工ができるのが特徴です。そのため、新築だけでなく、古い建物の屋根リフォームや増築、DIYの屋根補修などにも適しています。また、金属屋根の中では特に価格が安価で、施工費用を抑えられることから、予算を重視する場面で選ばれることも多いです。 近年では、より耐久性が高く、サビに強いガルバリウム鋼板やスレート屋根などの新しい屋根材が登場し、主流になりつつあります。しかし、トタン屋根は今でも特定の用途で根強い人気があります。例えば、短期間で施工を完了させたい場合や、一時的な建物にコストをかけたくない場合などには、トタン屋根が適していると言えます。 また、トタンは加工がしやすいため、建物の形状に合わせて柔軟に対応できるのもメリットのひとつです。特に、農業用の倉庫や工場など、大きな屋根面積をカバーする必要がある建物では、施工のしやすさとコストパフォーマンスの良さが評価されています。さらに、最近では耐候性の高い塗装技術が発展しており、定期的なメンテナンスを行えば長期間使用することも可能です。 このように、トタン屋根は昔ながらの屋根材ではありますが、今でもさまざまな場面で活用されています。次の章では、トタン屋根の種類について詳しく見ていきましょう。 2.トタン屋根の種類 トタン屋根にはいくつかの種類があり、それぞれに形状や施工方法が異なる特徴があります。用途や建物の構造に応じて最適な種類を選ぶことが大切です。ここでは、代表的な「瓦棒葺きトタン屋根」「波板トタン屋根」「折板トタン屋根」の3種類について解説します。 2-1 瓦棒葺きトタン屋根 瓦棒葺き(かわらぼうぶき)トタン屋根とは、細長い金属板を並べ、接合部分に「瓦棒(かわらぼう)」と呼ばれる補強材を取り付ける施工方法で作られた屋根のことです。 特徴 防水性が高い:継ぎ目に瓦棒を設けることで、雨水の侵入を防ぎやすくなっています。 強度がある:屋根の骨組みに直接固定するため、耐風性に優れています。 住宅にも使用される:トタン屋根の中では比較的デザイン性があり、住宅の屋根としても採用されることが多いです。 適した用途 戸建て住宅の屋根 倉庫や小屋の屋根 屋根の勾配(角度)がある建物 2-2 波板トタン屋根 波板トタン屋根とは、トタン板を波状に加工した屋根材を使用したタイプの屋根です。DIYでもよく使われるほど手軽で、古くから倉庫や物置の屋根材として活用されています。 特徴 施工が簡単:重ねて固定するだけなので、初心者でも取り扱いやすい。 コストが安い:他の屋根材と比べても、材料費・施工費ともに安価。 通気性がよい:波状の形状により空気の流れができ、湿気がこもりにくい。 適した用途 倉庫や物置の屋根 カーポートや簡易的な建物 DIYでの屋根補修 2-3 折板トタン屋根 折板(せっぱん)トタン屋根は、鋼板を波状または山折り状に加工したものを使用した屋根です。強度が高く、大型の建物にも使われることが多いタイプです。 特徴 強度が高く、耐久性に優れている:大型の建物や工場にも使用されるほど頑丈。 雨漏りしにくい:施工方法によっては防水性が高まり、雨水が入りにくい。 耐風性が高い:強風にも耐えられる設計で、台風や強風が多い地域にも適している。 適した用途 工場や倉庫の屋根 大型施設の屋根 商業施設や体育館など このように、トタン屋根には用途や目的に応じて適した種類があるため、使用する建物の特性を考えて選ぶことが重要です。 次の章では、トタン屋根を使用するメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。 3.トタン屋根を使用するメリット・デメリット 3-1 トタン屋根を屋根材に使うメリット ① 軽量で建物への負担が少ない トタン屋根は金属製の屋根材の中でも特に軽量で、建物の躯体(くたい)への負担が少ないのが特徴です。 屋根が重いと建物全体に負荷がかかり、地震の際に倒壊リスクが高まることがありますが、トタン屋根なら軽量なのでその心配が少なくなります。 ② 価格が安く、コストを抑えやすい トタンは、ガルバリウム鋼板や瓦屋根と比較すると、材料費・施工費ともに安価です。 リフォームや修理の際に費用を抑えたい場合や、一時的な建物の屋根材として活用する際には、大きなコストメリットがあります。 ③ 加工しやすく、施工がスムーズ トタンは薄くて柔らかい金属なので、切断や折り曲げなどの加工がしやすく、施工がスムーズです。 そのため、急ぎの工事やDIYによる修理にも適しており、短期間で屋根を仕上げたい場合に便利です。 ④ 雨漏りしにくい 特に「瓦棒葺きトタン屋根」は、継ぎ目の構造がしっかりしているため、雨水が侵入しにくい設計になっています。 適切な施工を行えば、長期間にわたって雨漏りを防ぐことが可能です。 ⑤ 凍害に強く、寒冷地にも向いている トタンは金属製のため、水分がしみ込むことがなく、寒冷地でも凍害(凍結によるひび割れなど)が起こりにくいです。 そのため、雪が多い地域や気温が低くなる地域でも比較的安心して使用できます。 3-2 トタン屋根を屋根材に使うデメリット ① 断熱性が低い トタン屋根は金属製で熱を伝えやすいため、夏は暑く、冬は寒くなりやすいというデメリットがあります。 そのため、室内の温度を快適に保つためには、断熱材を施工したり、屋根裏に通気層を設けたりする工夫が必要です。 ② 雨や風の音が響きやすい トタン屋根は薄い金属製なので、雨が降ると「ポツポツ」と響くことがあり、防音性はあまり高くありません。 また、強風時には屋根材が振動しやすいため、風切り音が気になることもあります。 静かさを求める場合は、防音材を取り入れることを検討すると良いでしょう。 ③ 耐久年数が短め トタン屋根の耐用年数は10〜20年程度とされており、ガルバリウム鋼板(約25〜30年)や瓦屋根(50年以上)と比べると短めです。 長期間にわたって屋根のメンテナンスを減らしたい場合は、耐久性の高い屋根材を選ぶ方が適しているでしょう。 ④ 定期的なメンテナンスが必要 トタンはサビが発生しやすいため、定期的な塗装や補修が必要になります。 特に、塩害を受けやすい海沿いの地域や、湿気の多い地域では、サビの進行が早くなるため注意が必要です。 ⑤ 現在の主流ではない 近年では、より耐久性やデザイン性に優れたガルバリウム鋼板やスレート屋根が主流となっており、新築住宅でトタン屋根が選ばれることは少なくなっています。 ただし、リフォームや補修、倉庫・小屋などの用途では、手頃な屋根材として今も活用されているのが現状です。 このように、トタン屋根にはコストや施工のしやすさといった大きなメリットがある一方で、断熱性や耐久性の面で課題もあるため、用途や環境に応じて慎重に選ぶことが大切です。 4.トタン屋根とガルバリウム鋼板の比較 トタン屋根とガルバリウム鋼板は、どちらも金属製の屋根材ですが、耐久性やメンテナンス性、価格などに違いがあります。それぞれの特徴を簡単に比較してみましょう。 ・トタン屋根は、コストを抑えたい場合や、倉庫・小屋・農業施設などの短期間の施工に向いています。 ・ガルバリウム鋼板は、住宅の屋根として長期間使いたい場合や、メンテナンスの手間を減らしたい人におすすめです。 コスト重視なら「トタン屋根」、耐久性・デザイン性を重視するなら「ガルバリウム鋼板」と、用途に応じて適切な屋根材を選びましょう。 5. トタン屋根の修理方法や施工費用 トタン屋根は比較的耐久性がある屋根材ですが、サビやすい・劣化が進みやすいため、適切な修理やメンテナンスが欠かせません。ここでは、部分補修・再塗装・張り替え・カバー工法の4つの修理方法と施工費用について解説します。 5-1 トタン屋根の修理方法 トタン屋根の修理方法は、屋根の状態や劣化の進行度によって適した方法が異なります。 ① 部分補修(サビ・穴・浮きの修理) こんなときに必要 小さな穴やヒビがある 釘やネジが緩み、屋根材が浮いている 軽度のサビが発生している 修理方法 サビの除去・防錆塗装を実施 穴やヒビは補修シートやシーリング材で埋める 緩んだ釘・ネジを打ち直して固定する 費用の目安 約 5,000〜30,000円(範囲による) ② 再塗装(サビ・色あせ防止) こんなときに必要 屋根全体の色あせ・サビが目立つ 防水性を向上させたい 修理方法 高圧洗浄で汚れを落とす サビを除去し、錆止め塗装を塗布 耐久性の高い塗料(シリコン塗料・フッ素塗料など)で塗装 費用の目安 約 50,000〜200,000円(屋根の広さ・塗料の種類による) 5-2 トタン屋根の施工費用 修理方法ごとの大まかな施工費用は以下の通りです。 修理内容 費用相場 部分補修(錆び・穴埋め) 5,000円~30,000円 再塗装(防錆・塗り替え) 50,000円~200,000円 部分的な張り替え 100,000円~300,000円 カバー工法 800,000円~1,000,000円 葺き替え 900,000円~1,100,000円 また、施工業者によって費用が異なるため、複数の業者に見積もりを依頼することが重要です。 6. トタン屋根に関するよくある質問 トタン屋根について調べる中で、修理方法や費用、保険の適用など、さまざまな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。ここでは、特に気になるポイントについて分かりやすく解説します。 6-1 DIYで修理することは可能? 簡単な補修ならDIYでも可能! トタン屋根の軽微なサビや小さな穴の補修、ネジの打ち直しなどは、DIYでも対応できます。ホームセンターで入手できる防錆スプレーやコーキング材を使えば、小規模な補修は比較的簡単です。 DIYでできること 軽度のサビ取り&防錆塗装 小さな穴やヒビの補修(コーキング材・補修テープ) 緩んだネジ・釘の固定 DIYでは難しいこと 屋根全体の塗装や大規模な補修 トタン屋根の張り替えやカバー工法 高所作業(落下リスクがあるため) ⚠ 注意点⚠ 屋根の上での作業は非常に危険です。DIYでの作業は、低い倉庫や小屋などに限定し、高所作業は専門業者に依頼するのがおすすめです。 6-2 業者に頼むのとDIYとどっちが安いか DIYで補修すれば、一時的なコストは抑えられます。しかし、屋根は建物を守る重要な部分のため、修理の質が低いと結果的に劣化が進み、後から余計な修理費用がかかることもあります。 また、DIYには以下のようなリスクがあります。 施工ミスで逆に雨漏りを引き起こす可能性がある 防錆処理が不十分だとサビが広がりやすい 屋根の上での作業は危険で、転落事故のリスクがある 業者に依頼すると、専門の技術で適切な修理を行ってもらえるため、長持ちし、結果的にコストパフォーマンスが良くなる場合がほとんどです。特に屋根の張り替えやカバー工法、塗装のメンテナンスは、プロの技術が必要な作業なので、信頼できる業者にお願いするのがベストです。 6-3 修理に保険は使えるか 自然災害による破損なら火災保険が適用されることも!トタン屋根の修理に火災保険が適用されるケースがあります。 【保険が適用される可能性があるケース】 台風や暴風による屋根の損傷 大雪による屋根の破損 近隣の建物からの飛来物での損傷 【保険が適用されないケース】 経年劣化によるサビ・穴あき メンテナンス不足による屋根の劣化 【保険申請の流れ】 屋根の損傷を確認し、写真を撮る 加入している保険会社に連絡し、修理が保険適用になるか相談 業者に見積もりを依頼し、必要書類を保険会社に提出 保険会社の審査を受け、承認されたら修理を実施 ⚠ 注意点⚠ 火災保険を利用する場合は、自己判断で修理せず、まずは保険会社や専門業者に相談するのが重要! 7. まとめ トタン屋根は、軽量で施工がしやすく、コストを抑えられる屋根材として昔から幅広く使われてきました。特に、倉庫や小屋などの簡易的な建物では、今でもよく採用されています。近年では、より耐久性の高いガルバリウム鋼板が主流になっていますが、トタン屋根にも根強い人気があります。 ただし、サビやすい・耐久年数が短いといったデメリットがあるため、適切なメンテナンスが欠かせません。軽度の劣化であれば部分補修や塗装で対応できますが、劣化が進んでいる場合は張り替えやカバー工法を検討する必要があります。また、台風や大雪などで屋根が破損した場合、火災保険が適用されるケースもあるため、損傷を見つけた際はまず保険会社や専門業者に相談するとよいでしょう。 屋根は建物を守る重要な部分です。トタン屋根を長く快適に使い続けるためには、定期的な点検や適切な修理を行うことが大切です。トタン屋根の特性を理解し、用途や状況に合わせた適切な対応をしていきましょう。 \無料お見積り・調査依頼はこちらから/
2025.03.07(Fri)
詳しくはこちら



























