
塗膜の剥がれは要注意!放置すると建物の寿命を縮める原因に
外壁や屋根の塗装は、見た目を美しくするだけでなく、建物を雨や紫外線から守る「保護膜」として大切な役割を持っています。しかし、年数が経つにつれて塗膜が劣化し、「剥がれ」や「浮き」が発生することがあります。 「最近、屋根、外壁の一部が白っぽくなってきた」「塗装がポロポロ落ちてきた」そんな症状をそのままにしていませんか?塗膜の剥がれは、単なる見た目の問題ではなく、建物の構造に深刻なダメージを与える前兆でもあります。 この記事では、塗膜が剥がれる原因や放置した場合のリスク、そして適切な対処方法についてわかりやすく解説していきます。 塗膜の役割とは? まず、塗膜(とまく)とは、外壁や屋根に塗装をしたときにできる「塗料の膜」のことを指します。この塗膜が、雨・風・紫外線・温度変化などの外的要因から建物を守るバリアの役目を果たしています。 塗膜は、主に以下の3つの役割を担っています。 防水性:雨水が外壁内部に染み込むのを防ぐ 防汚性:汚れやカビ・コケの付着を抑える 美観の維持:建物の印象を良く保つ この塗膜が剥がれると、建物は直に紫外線や雨風を受けるようになり、劣化が一気に進んでしまいます。 ■ 塗膜が剥がれる原因とは? 塗膜が剥がれる原因にはいくつかのパターンがあります。「経年劣化」による自然なものもあれば、「施工不良」によって早期に起きてしまうものもあります。 1. 経年劣化によるもの 塗装の耐用年数を超えると、塗膜の柔軟性が失われ、ひび割れや剥がれが起こりやすくなります。紫外線や雨風によって塗料中の樹脂が分解され、密着力が弱くなってくるのです。 一般的な塗料の耐用年数は以下のとおりです。 アクリル系:約5〜7年 ウレタン系:約8〜10年 シリコン系:約10〜15年 フッ素系:約15〜20年 この耐用年数を超えても塗り替えを行わないと、塗膜は次第に剥がれ始めます。 2. 下地処理不足 塗装をする前に、古い塗膜や汚れ、サビなどをきちんと除去していない場合、塗料がしっかり密着せず、早期に剥がれてしまうことがあります。特に金属屋根や鉄部の場合、サビを落とさずにそのまま塗装してしまうと、わずか数年で塗膜が浮いてきます。 3. 施工不良 下塗り材(プライマー)が適切に塗られていなかったり、塗料の乾燥時間を守らなかった場合も、塗膜が密着しない原因になります。また、気温や湿度が高い日、雨が降る直前などの悪条件下で塗装を行うと、内部に湿気が残り、塗膜が膨れやすくなります。 4. 下地との相性が悪い 下地の素材と塗料の種類が合っていない場合にも、剥がれが発生します。たとえば、モルタル壁用の塗料を金属下地に塗ってしまうと、密着力が不足してすぐに浮きやすくなります。 ■ 塗膜剥がれの初期症状とは? 塗膜の剥がれは、初期の段階では気づきにくいことが多いです。次のような変化が見られたら、塗膜の劣化が進行しているサインです。 外壁や屋根の色あせ(ツヤがなくなっている) 手で触ると白い粉がつく(チョーキング現象) 部分的に塗装が浮いている、または膨れている 雨のあとに表面がムラになっている 塗装がポロポロ落ちてきている この段階で適切にメンテナンスを行えば、再塗装で十分に修復できます。 ■ 塗膜の剥がれを放置するとどうなる? 塗膜の剥がれを放置すると、建物の劣化スピードが急激に早まります。 防水性能の低下 剥がれた箇所から雨水が侵入し、外壁内部や下地材が湿気を含むようになります。これにより、カビや藻の発生が進みやすくなります。 ひび割れや膨れの発生 湿気を吸った下地が膨張・収縮を繰り返すことで、さらに塗膜が割れてしまいます。 内部の腐食・サビ 金属部ではサビが進行し、木部では腐食が発生します。構造的なダメージにまで発展する可能性もあります。 外観の悪化 塗膜の剥がれは見た目にも悪く、建物全体が古びた印象になります。中古物件の場合、資産価値が下がる要因にもなります。 塗膜の剥がれを防ぐためのメンテナンス 塗膜の剥がれを防ぐには、定期的な点検と塗り替えが欠かせません。 1. 定期点検を行う 10年に一度を目安に、外壁や屋根の状態を専門業者にチェックしてもらいましょう。小さな浮きやひび割れであれば、早期に補修することで大規模な塗り替えを避けられます。 2. 適切な塗料選び 建物の素材や環境に合わせた塗料を選ぶことが大切です。例えば、日当たりの強い場所では耐候性の高いフッ素系塗料や無機塗料を選ぶと、長持ちしやすくなります。 3. 信頼できる業者に依頼する 施工品質が塗膜の寿命を大きく左右します。価格だけで業者を選ばず、下地処理や下塗りの方法などを丁寧に説明してくれる会社に依頼しましょう。 ■ まとめ 塗膜の剥がれは、建物の老朽化を知らせる大切なサインです。放置してしまうと、雨漏りやサビ、カビの発生など、建物の寿命を大きく縮めてしまうことがあります。 「少し剥がれているだけだから」と油断せず、早めに点検・メンテナンスを行いましょう。定期的な塗り替えによって、美観を保ちながら、家を長く丈夫に守ることができます。
2025.10.28(Tue)
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