
棟板金の浮きや釘抜けに注意!放置すると雨漏りの原因に
屋根の頂上部分に取り付けられている「棟板金(むねばんきん)」。普段はあまり意識されませんが、実は屋根を雨風から守る重要な部材です。 しかし経年劣化や自然災害の影響で「板金の浮き」や「釘抜け」が起きやすく、そのまま放置すると雨漏りや屋根全体の劣化につながる恐れがあります。 この記事では、棟板金の役割や浮き・釘抜けが起こる原因、放置リスク、補修方法や点検の重要性について解説します。 棟板金とは?役割と位置を解説 棟板金とは、屋根の最上部(棟)を覆う金属部材のことです。 [caption id="attachment_59536" align="alignnone" width="300"] default[/caption] 棟板金の役割 雨水の侵入を防ぐ屋根の棟部分には隙間があり、そのままでは雨水が入り込んでしまいます。棟板金はその隙間を覆い、雨水の浸入を防ぐ役割を担っています。 屋根材を固定する棟部分に取り付けられた「貫板(ぬきいた)」に棟板金を釘やビスで打ち込み、屋根材をしっかり固定しています。 つまり棟板金は屋根の“フタ”のような存在であり、住宅の防水性・耐久性を守る要となる部分です。 棟板金の浮きや釘抜けが起きる原因 棟板金は金属なので割れることはありませんが、固定する釘や下地材の劣化によってトラブルが起こります。 1. 釘の緩み・抜け 棟板金は主に釘で固定されています。木製の貫板に釘を打ち込んでいるため、経年によって木が痩せたり雨水で腐食したりすると釘が緩んで抜けやすくなります。 2. 強風や台風 台風や強風によって板金が浮き上がることがあります。特に釘が緩んでいる状態では、一気に飛ばされるリスクがあります。 3. 貫板の劣化 釘の下地となる貫板が雨水を吸収して腐食すると、釘が効かなくなり棟板金の固定力が低下します。従来の木製貫板は湿気や雨水に弱いため、定期的な点検が必要です。 4. 気温変化による膨張・収縮 金属は温度変化で伸縮します。夏の強い日差しや冬の冷え込みの影響で板金が動き、釘が少しずつ浮き上がっていくケースもあります。 放置するとどうなる?棟板金トラブルのリスク 棟板金の浮きや釘抜けは、軽微に見えて実は大きなリスクにつながります。 雨漏りのリスクが高まるから 棟板金を固定するための釘が浮いた段階では、すぐに雨漏りする可能性は低いです。しかし、棟板金の釘浮き以外にも「屋根材の劣化」や「下地の劣化」まで放置し続けてしまうと、雨漏りのリスクが非常に高くなってしまいます。 雨漏りが発生する場合は、板金の隙間から雨水が侵入し、屋根の内部にしみ込みます。 特に棟部分は建物の中心にあるため、雨漏りすると天井全体に広がるケースもあります。 板金の飛散事故 釘が抜けて固定力が弱まると、強風時に板金が飛ばされる危険があります。鋭利な金属板が近隣に落下すれば、窓ガラスを割ったり人にケガをさせたりする恐れもあります。 貫板や野地板の腐食 雨水が入り込み続けると貫板や野地板が腐り、屋根全体の耐久性が低下します。結果的に葺き替えなど大規模な工事が必要になる可能性もあります。 補修・修理の方法 棟板金の状態によって修理方法は異なります。 釘の打ち直し 軽度な場合は釘を打ち直すことで補修可能です。ただし再び抜けることも多いため、ステンレスビスに交換するのが望ましいです。 板金交換 棟板金が浮いて変形している場合や、錆びが進行している場合は交換が必要です。 貫板交換(樹脂製への変更がおすすめ) 木製貫板が劣化している場合は、貫板ごと交換します。最近では腐らない樹脂製の貫板もあり、耐久性が大幅に向上します。 カバー工法や葺き替え 棟板金だけでなく屋根全体に劣化が広がっている場合は、屋根全体をリフォームすることも検討が必要です。 棟板金の点検方法 自宅の棟板金が大丈夫か気になる方は、次のような症状がないかチェックしてみましょう。 屋根の頂上部分の板金が浮いて見える 釘が飛び出している 板金が歪んでいる 風が強いときに金属音がする 雨のあとに天井にシミができる ただし、屋根の上に直接上がるのは非常に危険です。双眼鏡などで遠くから確認するか、専門業者に点検を依頼しましょう。 まとめ 棟板金の浮きや釘抜けは、小さな不具合のように見えても放置すれば雨漏りや板金の飛散といった大きなトラブルにつながります。 主な原因は釘の緩み、貫板の劣化、自然災害 放置すると雨漏り・腐食・飛散事故のリスク大 修理は釘の打ち直し、板金交換、貫板交換など 定期的な点検と耐久性の高い部材への交換で予防可能 屋根の頂上部分は普段目につかない場所だからこそ、早めに点検・補修を行い、大切な住まいを守りましょう。
2025.10.09(Thu)
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